干し草の山ではない
これらの形は、脱穀前の穀物を積み上げ、藁を葺いた急勾配の屋根で覆って保護したものである。モネの自宅があったジヴェルニー近郊の畑に立ち、冬を越すまでそのままにされることもあった。単純な塊としての形は光をはっきりと捉える一方、その農業上の役割は、この連作をありふれた労働の風景の中にしっかりとつなぎとめている。
不動の主題が時を測る
モネは天候の移り変わりに応じて複数のカンヴァスを並行して手がけ、目の前の光の効果が絵と合わなくなるたびに描くカンヴァスを替えていった。積みわらの形そのものはおおむね変わらないが、雪、霧、霜、夕日はその色彩、輪郭、そして畑との関係を変化させる。繰り返すことによって、違いが浮かび上がるのである。
ゆっくりと完成された一瞬
これらの絵は移ろう一瞬の知覚を捉えたように見えるが、モネは1891年に15点をまとめて発表する前に、アトリエで手を加えている。だからといって、その光の観察が浅いということにはならない。むしろ、記憶と比較検討、そして幾重にも重ねられた絵具を通じて、一つの「印象」がいかに構築され得るかを示している。この夕景では、積みわらから橙色が放たれているように見える一方、紫がかった影がその周囲に冷たさを閉じ込めている。
光は変わり、対象はそこにとどまる
モネが積みわらへと繰り返し立ち返ったのは、不安定な条件に対して安定した形を提供してくれたからである。その素朴なシルエットは、桃色であれ、紫であれ、橙色であれ、青であれ、どのような色をまとってもなお、それと分かる姿を保ち続けた。この夕景では、積みわらが輝く空の一部を遮り、冷ややかな影を落とすことで、色彩は大気の中に溶け去ることなく、物理的な構造を与えられている。
この連作は、機械的に時刻を記録するものとして描かれたわけではない。モネは複数のカンヴァスを行き来し、アトリエで手直しを加えながら、記憶に残る感覚に見合う表現を追い求めた。一見すると即興的に見える筆致を眺めるとき、このことは重要な意味を持つ。画面の表面には、速さだけでなく、幾度もの加筆の跡が刻まれているのだ。繰り返しは主題を狭めるどころか、ありふれた一つの畑が、どれほど多くの異なる絵画を支え得るかを明らかにしたのである。
出典と参考資料
- ボストン美術館『積みわら』モネの積みわら連作に関する収蔵記録。
- メトロポリタン美術館 モネの連作に関する論考モネの連作制作の手法と、変化する光の効果について。
