何十年にもわたって描き続けられた主題
ターナーは1797年に初めてノーラムを訪れ、以来この城を水彩画や版画にたびたび描いた。国境の廃墟は彼が繰り返し取り上げるモチーフの一つとなった。本作はアトリエから見つかった晩年の一群のカンヴァスに属し、そこでは馴染み深い場所が光と色彩、そしていくつかの形の手がかりへと還元されている。
風景を少しずつ見出していく
太陽は川の上に輝き、その光は下方の広い縦の帯となって水面に映っている。左手の浅瀬には牛が佇み、中央付近には舟らしき姿が浮かび、天守は地平線にかすかに浮かんでいる。ターナーは、まず大気を感じさせてから、その後にようやく事物の認識が訪れるように仕組んでいる。
完成か、未完成か
この絵はターナーの生前には展示されず、未完成である可能性がある。しかしその状態を失敗と取り違えるべきではない。薄いヴェールのような絵具、透けて見えるカンヴァス地、解決されないままの輪郭が、日の出そのものを主題として際立たせ、城の抱える戦乱の歴史は、ほとんど無から風景を組み立て直すかのような朝のなかへと退いていく。
光へとほとんど還っていく城
ターナーは以前からの訪問を通してノーラムを知っており、かつてはより写実的な形でこれを描いていた。この晩年の作では、城は川面の上にかろうじて浮かぶ淡いシルエットにすぎない。前景の牛と、いくらか濃い色を帯びた岸辺だけが、見る者を方向づけるのに足るしるしとなっている。認識はゆっくりと立ち現れる。それはちょうど、夜明けが霧を解かし、細部がはっきりする前のひとときに似ている。
この絵はターナーのアトリエに残されたままであり、通常の展示という意味では完成と見なされていなかったのかもしれない。だが、その状態ゆえに、この開かれた表現が偶然の産物だと考えるべきではない。薄く塗られた絵具、露わになった地塗り、やわらげられた輪郭は、事物よりも光を優先させる一つの完結した体験を作り出している。廃墟が完全に消え去ることはない。それは地平線を保ち続けながらも、大気の力によって、歴史的建造物の見え方そのものを変えてしまうのである。
出典と参考資料
- テート・コレクション作品ページ作品情報、繰り返し描かれた主題、制作年、未完成の状態。
- テート、ターナーとノーラム城の歴史とターナーによる繰り返しの習作。
